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壁はない、ただ階段がある。未経験からwebデザイナーを目指すあなたへ。

先日オンラインキャリアセミナーで、学生さんたちとお話しさせていただく機会がありました。そのなかで美大卒じゃない未経験からwebデザイナーを目指すことについて、少し話題になりました。
「これから作品を作って頑張ったらいいよ」と伝えたけれど、現実の厳しさもあるし、無責任には言えない難しいところなので、もう少し語ってみようと思います。
(ちなみに私はwebデザイナーと言っても普段コーディングをしない分業デザイナーなので、その目線だというのをご了承ください)

未経験から目指す厳しさ

なんの訓練も受けていないゼロから目指すのは、決して簡単ではないと思います。

自力でリソースを投入して、かなりの学習が必要

自主学習でデザインツールの使い方やレイアウトのセオリーを学ぶ必要があります。ツールのチュートリアルをやったり、架空のお題を設定してデザインに取り組むことが必要です。
自分ひとりで学習を進めることが難しければ、メンターを頼ったりスクールや講座にお金を払う必要もあるかもしれません。

最初はデザイン職に就けず、回り道するかも

実力が足りなければ、いったん別の職種に配置されたり、志望とは遠い内容で働くこともあるでしょう。

デザイン職に就けても、ブラック環境のリスク高め

未経験者を採用する会社のなかには、人が続かなくてすぐに辞めてしまう環境のところもあるかもしれません。
いったん心身を病んでしまうと、健康を取り戻すには長い時間がかかることもあるので、傷が深くならないうちに辞めた方がいいとは思いますが、短期間で辞めた経歴が次の職探しに響く可能性もあります。

すぐには一人前に稼げない

良い仕事にありつけなければ、少ないお給料、安い発注金額で働かざるを得ないこともあるでしょう。

ここに挙げたようなリスクは実際に存在すると思います。
そのため、すぐ稼がないと生活に困窮する人には安易に勧められません。

当面の収入や家族の支えなど生活基盤があって、余力をしっかりとデザイン学習に振り、できるだけ実力をつけ作品を充実させて就活に臨む、というのが理想です。

困難イコール苦行ではない

厳しい内容で、不安になるでしょうか。
「デザイナーになるのがそんなに大変なら、デザインの勉強なんてやめておこう」と思うでしょうか。

少々勉強したところでデザイン職に就けないなら、それは無駄な苦行?
本当にそうでしょうか。

リスクを挙げた上で言いたいのは、デザインの学習は簡単じゃないけど、決して苦しいものではないということ。
自分でお題を見つけて作品を作ることはきっと楽しいはず。
新しい技術を習得するのは、ワクワクして面白くて、とっても刺激的なはず。

たとえ回り道しても、結果的にデザイン職に就かなかったとしても、デザインを学ぶ意味が失われるわけじゃない。
だってデザインはただの就活ツールなんかじゃなく、もっと価値のあるものだと思うからです。
私にとってそれは、コミュニケーション手段であり、生きる指標であり、社会とつながるための唯一の鍵。

バナーがひとつ組めるようになる。アイコンがひとつ作れるようになる。その小さな訓練の繰り返しが着実にあなたの経験値として蓄えられ、力になります。
できることが増えれば選択肢も増える。語れる言葉が豊かになる。今よりもっと遠くまで行ける。
そんな偉大な力です。

だから、現実の厳しさと天秤にかけてでも学ぶ価値はあるんだと言いたい。
それが私の個人的な思いです。

スタートはみんなほとんど同じ

デザイナーになるために特別な才能や正統な勉強が必要か、様々な意見があると思いますが、

・生まれつきの才能やセンスが自分にあると思っているデザイナーは少ない
・美大やスクールを出てなくてもwebデザイナーをやっている人は多い
・絵やイラストを描かない人も多い

私の観測範囲で言うと上記のような感じかと思います。

おそらく、未経験者を締め出す高い壁があるわけじゃないんです。
ただあるのは、どこまでも長い階段のようなもの。
登るのはそれなりに大変だけど、身ひとつで誰でも登り初められるものでもある。

誰でも最初は1段目から登っていって、デザインの技術を身につけていく。
学びながらどこか企業の門を叩いて、受からなければまた学んで実力をつければいい。できることを増やす、作品集のクオリティを上げる、やるべきことは割とシンプルです。

学ばせてもらった環境に感謝を これから来るあなたへエールを

私も最初はダメダメなスタートでした。それでも運良く実務に就くことができ、働きながら学ばせてもらいました。まだまだ足りなくて、いまも息切れしながら階段を登り続けているところです。

恥ずかしいくらい未熟だった私を社会が受け入れてくれたから、デザイナーとしてキャリアの一歩を踏み出すことができました。
そうやって育ててもらった自分だから「未経験者の安易な参入は迷惑だからやめておけ」なんて言えるはずがありません。

私は、リスクを覚悟して未経験からデザイナーを目指す人を応援したい。
経営者でも採用担当者でもないけれど長い階段を登り続ける仲間として、あなたの一歩を歓迎したいと、そう思うのです。

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